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    B-Paws 犬と人。

    ドッグトレーナーが犬のあれこれを綴ります。犬のしつけは、ホリスティック思考で参りましょう!

    夜明け。@胃捻転

    前々回前回から続きます。




    異常発生から、およそ60分で緊急手術に入ったジャンゴ。


    胃捻転の手術では、
    まず捻じれた胃を元通りにします。
    このとき、止まっていた血液が一気にあちこちへ流れ込み
    ショックを引き起こす場合もあります。

    胃を元通りにしたあと、
    再発防止の為に胃を固定します。
    胃を固定する方法は様々。

    胃捻転は一度捻じれてしまうと、癖がつくのか・・・
    再発率は低くありません。
    その為に、胃を固定して再発率を少しでも下げるのですが、
    固定をしたからといって100%再発しないと云うわけではありません。
    再発を繰り返すほど、死が忍び寄ります。

    前々回の記事に書きましたように、
    発生から時間が経過すると他の臓器までもが壊死したりなど
    大きなダメージを受けてしまいます。

    そして手術が無事に成功しても、
    血液の流れが安定して臓器が通常運転をできなければ・・・
    そこでもまだ死の恐怖がつきまとうのです。
    手術が成功=もう安心♪はありえませんが
    手術が成功すれば、生存率もあがります。


    兎にも角にも!手術が成功してくれなければと、
    ジャンゴの力を信じてただただ待つ。

    1時間経過してもまだ終わらない。

    1時間半くらい経ったころ、
    「ぅ~ふぅ~ん、ひ~ぅ~」 と聞き覚えのある
    下手くそで低い低い鼻声が小さく聞こえた気がしました。
    案の定、声の主はジャンゴ。

    日頃めったに鼻を鳴らさないジャンゴは、とんでもなく鼻声が下手(笑

    麻酔醒めかけのジャンゴに会ってあげてくださいと言われ、
    手術を終えたジャンゴの元へ駆けつけると・・・
    ぼんやり顔で、半分起き上がる体勢で
    「もう帰るので~お世話様~」と帰ろうとしているジャンゴの姿が Σ(´Д`;)

    「ジャンゴ!」と大きめの声を掛けると、
    ぼんやりとした眼差しで私を見つめてくれました。
    それと同時に私の気持ちも解放され、
    お互いにそのままスッと落ち着き、
    これでもか!と云うくらいジャンゴの頭頂部を抱えて熱い口づけを(笑。

    長居は出来ないので、後ろ髪を引かれながらも退室。

    そのまま手術の報告を受けました。

    ジャンゴの臓器はほぼ無傷だと聞かされ、心底ホッとしました。
    脾臓が若干の鬱血をしていたが、その程度。
    胃を切ることもなく済んだとのこと。
    全ては、
    発生から処置までが早かったから、
    ダメージもなく、
    最低限の処置で済みましたと言われて・・・感無量。

    そして、開腹したときには
    ジャンゴの胃は自力で半分戻っていたそうな。
    さすが生命力のたくましい我が子・・・;

    麻酔からの覚醒もスムーズで、
    手術中の不整脈やガスの発生もなく、
    本当にすべてが順調(?)に無事に済んだそうです。

    少ない確率で、ごく稀にこうして自力で戻ってしまうケースがある。
    そのときは、それで症状が治まってしまうけれど
    後日に再発したときに飼い主さんは「また治まるだろう」と放置してしまいやすくなる。
    すると、今度こそ致命的なことになってしまうと云うパターンもごくごく稀に耳にします。
    まさかジャンゴが自力パターンだとは・・・なんたることか。


    これまで自分がしてきたこと、
    吸収してきたことのすべてを肯定してもらえた気がしたし、
    それによってジャンゴを失わずに済んだのだと実感することができました。
    私自身がジャンゴを救った!と、初めてそう思えました。

    しかし、先にも述べたように
    手術成功=安心♪ではありません。
    24時間は厳戒態勢だし、そのあともまだまだ気は抜けない。

    ジャンゴに付き添い続けたいですが、病院的にもそういうわけにはいきませんので
    一旦帰宅。

    その夜、21時過ぎに面会にとのこと。

    朝 5:15頃、ジャンゴのいない自宅へと帰ってきました。
    発生からおよそ3時間半。
    怒涛の3時間半。
    長いのに、あっという間の3時間半。


    日中、家に居てもどうすることも出来ないし
    気持ちがざわついてしまうので仕事をこなしました。

    9日夜21時に、ジャンゴの待つ病院へ!

    「ジャンゴちゃんのお母さん、どうぞ~」と呼ばれ、
    元気のないジャンゴの姿を想像しながら、いざ・・・

    ・・・びっくりする程、普通に元気(´-`;;;)

    巨大パラボラを装着し、尻尾をビタビタと振って元気よく迎えてくれました。
    短毛犬種のジャンゴの傷は、目立たちませんでした。
    所々に消毒液の色が付着していて、
    腕に点滴キットを巻き付けていなければ、手術したなんてわからない程。

    ジャンゴの性格上、傷を気にするとは思えなかったので
    一緒にいる間だけでもとパラボラ(エリザベスカラー)を外させていただきました。

    懸念されていた持病への影響もないようで、
    しっかりとした足取りで動く姿に
    病院スタッフの方々も驚くくらい本当に普通の元気の良さ。
    相変わらず、ジャンゴの回復力には驚かされるばかりです。

    排泄に連れ出してよいとの許可をもらい、
    一緒に外へ出て排泄を促すとすぐに大量のオシッコを。
    一度外へ出たら帰りたがるのではないかと心配したのですが、
    そこはさすが私の娘です・・・
    排泄を済ませると速やかに「寒ぅ~い」と院内へ・・・ちょっと寂しい

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    術後の絶食を経て、少量の食事とお水をいただきました。
    小型犬1日分の食事量くらいを、ペロリと一口で完食。
    「足りない~もっと~」とおかわりを催促する姿に、安心しました。

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    食事もお水も無事に通り、その後に異変もなく。
    そこでまた、手術の報告を改めて聞きました。
    内臓はシニア特有のものものなく綺麗だと聞き、これまた一安心。
    発生からまだ24時間経過していないので、
    楽観視はできないけれど、順調にいけば早い退院ができそうだと言われ更に安心。

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    そんな話を聞き、
    傷さえなければいつも通りのジャンゴの姿に、
    「すべては夢だったのではないか?」
    「勘違いだったのではないか?」
    本気でそう思えてきていたのですが、
    請求予定金額を見て一気に現実へと引き戻されました。

    超大型犬の深夜救急緊急開腹手術、全身麻酔、投薬、宿泊代・・・その他諸々・・・
    超大型犬は一生涯に掛かる費用も超大型であることはわかっているし、
    その為に貯金をしたりだなんだとやってきていて、
    そのもしもの時の為の貯金は既に2年前の不治の病で使い切り、
    そこからまたチマチマと溜めていましたが・・・。

    最近、動物保険のTVCMで急な出費が12万円でも!?なんてやっているけれど、
    12万円なんて随分と可愛らしい金額だなと心底思える金額です。
    12万円が痛くもかゆくもない金額だなと思える金額です。

    退院の際には、合計金額は更に約10万円ほどUPしていました。

    支払い合計金額のうち数万円は消費税!!!消費税恐るべし。

    しかし、命に値段はつけられない。
    がんばって働きます。


    2月11日深夜12:30、ジャンゴは無事に退院。
    発生からおよそ48時間。


    2/9 1:50 異常発生→ 2:45 緊急手術&入院 → 2/11 0:30 退院

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    ジャンゴの回復が早く、動きも自然で元気もあるので
    病院にいるよりも自宅に戻った方が安定するでしょうと。
    それと私の都合もあり、早々に退院。

    縫った傷口から、血が滴り落ちたりもしていましたが、
    超大型犬ですから、そのくらいの出血量であれば私も動じません。
    獣医さんも「術後の予想の範疇である」と。

    数時間後には出血も止まりました。

    点滴の為に締め付けられた右前脚は、
    破裂しそうなほど浮腫んでいましたが、夜にはだいぶ戻りました。

    当分の間は食事と水、散歩を制限してひたすら安静に。
    大好きな穴掘りは1カ月後くらいかなぁ・・・。
    ジャンゴ本人は「退屈~お腹すいた~喉が渇いた~」と言ってますが、
    うまいことバランスを取ってがんばっています。

    わずかな期間の入院でしたが、
    ストレスから、ジャンゴはあっと云う間にみすぼらしい姿になっていました。
    大量の毛が抜け、フケが浮き、毛がパサパサ、なのに脂っぽい姿。
    1日中、多くの患畜さんが出入りし、叫びを聞き、
    私のいない場所で狭い場所に閉じ込められて過ごすのですから。
    こちらからしたら、仕方のないことですが
    ジャンゴにはそんなのわかりません。

    入院中は騒ぐこともなく、大人しく過ごしていたそうです。

    スタッフさん達とはうまくやっていたようで・・・
    大きいだのなんだのと、やんや囲まれて撫でられたりだなんだしても
    大して動じることもなく、愛想も振り撒かず(笑。
    なのに、スス~と寄っていき小脇に頭を突っ込んで撫でてもらったりしていました。

    排泄時に待合室を通る度、他の来院者の目が点になり
    「でかい!」「大きい」と囁かれていましたが、
    それも気にせず、むしろ、「どうも~」とあいさつする始末(苦笑。

    本来は、見知らぬ人は好きじゃないんですけどね。


    そんなこんなで・・・

    真夜中に帰宅し、いつもと同じように一緒に布団で寝ました。
    いつも以上にすり寄ってくるジャンゴ。
    相当な疲れがあるようで、いつも以上に場所を陣取って寝るジャンゴ。
    お蔭で私はほとんど眠れませんでしたが、
    「もう!狭いな!」とブツクサ言える幸せを噛みしめました。

    抜糸は1週間後の予定です。




    今回の事は、なにも”中沢だから出来た!”わけではありません。
    胃捻転と云う病気を知っていて、
    その怖さまでもを知っていて、
    様子を見ることなく即座に病院へ駆け込む。
    私は胃捻転の怖さも症状のあれこれも頭に入れていましたので、
    即座に決断して行動することができた、それだけです。
    手術をするのは私ではなく、獣医さん。
    でも、私自身の判断がジャンゴを救ったと思っています。

    普段はとても優柔不断で、外食のメニューもなかなか決められない人間です(苦笑。
    そんな私が「一刻を争う」と我が子の命を掛けて、即行動。

    「もしかしたら」の可能性であろうとも、
    胃捻転を疑ったらすぐに病院へ連れて行ってください。
    それでもし、胃捻転でなかったら、それはそれでいいのですから。
    それよりも、対処が遅れて手遅れになってしまうことの方が恐ろしい。
    時間が経過すればするほど、生存率は下がります。
    しかも、その時間にあまり猶予はありません。
    飼い主さんの判断が愛犬の命を救うのです。
    飼い主さんだけでなく、犬を扱う仕事をしている人にも求められるかもしれません。

    食後・大量の水を飲んだあと60分は運動は避けてあげてください。
    (我が家は運動直後の食事と大量の水も避けています)
    食後に仰向け抱っこをしたりしないでください。
    野菜はガスを発生させやすい種類があります、
    野菜を与えている場合には種類や量に気を配ってください。
    小型犬だからと安心しないでください。
    意外と思われるかもしれませんが、驚いた拍子にねじれてしまう子もいます。
    犬を不要に驚かせたりしないでください。
    極度のびびりさんも要注意です。

    ジャンゴはもうビビリはとうの昔に卒業しているどころか、
    物音や多少のことでは元々動じません。

    予防していても、ジャンゴのように発生してしまうことはままありますが、
    私は4頭の犬と暮らしてきてジャンゴが初めての発症例です。


    先日の中沢個人塾でも言いましたし、
    何度でも言いますが、
    病気や怪我の知識は持っておいて損はありません。
    その知識を使う機会がないのが理想的ですが、
    なにがいつどう起こるかわからないのですから。
    今回の事で、私はそれを改めて実感しました。

    いつも身を以て、私に色々と教えてくれるジャンゴ・・・
    ありがとう。

    私の判断が甘かったら、
    もう少しでも遅れていたら、
    私は涙に暮れ、
    ジャンゴは今こうして居ることはなかったかもしれません。





    あなたの愛犬の犬種がなりやすい傾向にある疾患を知っていますか?
    発見した時、どのような対応をするべきか知っていますか?
    それがどんな病気であるかを知っていますか?
    夜間に対応してくれる病院はどこにありますか?
    掛かりつけの病院は夜間でも指示をくれますか?
    もし、知らないのであれば、今すぐにでも調べておいてください。

    これは、私とジャンゴからのお願いです。


    長い長い文章にお付き合いありがとうございました。

    通常運転に戻りたいと思います♪





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