B-Paws 犬と人。

    ドッグトレーナーが犬のあれこれを綴ります。犬のしつけは、ホリスティック思考で参りましょう!

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    社会化不足に必要なのは。

    犬を育てようとすると“社会化”という言葉に出会うと思います。
    特にパピーには大切なことですし、一生涯続くものです。

    よく耳にするけど、“社会化”ってなに?
    その“社会化”って何をすればいいの?

    様々な経験を積ませることが“社会化”?
    確かに、様々な経験を積ませること・・・で間違いではありませんが、
    それだけだと少し語弊があるような気がします。

    私がトレーナーの勉強をした当時通っていたスクールや
    KONGで有名なイアン・ダンバー博士は
    「パピーが生後3か月になるまでに少なくとも100人の様々な人に会わせましょう」と言っていました。
    人以外にも、様々な刺激に慣れるように
    好奇心旺盛なパピーのうちに考えられる様々なシチュエーションを経験させ、
    社会化不足によって将来起こりうる問題行動を予防しましょう、と。

    間違っていないとも思うし、
    今の私は「それはちょっと違う」とも思うのです。(!

    確かに“社会化不足”によって起こる問題はたくさんあります。

    「うちの子は社会化が不足している」
    或いは
    「社会化に失敗した」
    そう思う方は少なくないでしょう。

    社会化に失敗!と聞くと社会化が足りなったように聞こえますが、そうとは限りません。
    かくいう私もジャンゴで社会化に失敗しました。
    何度でも言いますが、何もしておらず・・・ということではありません。

    ジャンゴを迎えた当時もトレーナーでしたから、社会化を精一杯がんばりましたよ。
    でもね、失敗したわけです。
    いろんな人に会わせ、いろんな犬に会わせ、あれやって~これやって~・・・
    でもね、失敗したな~と思う。
    だからこその今の私だと思えるし、間違いに気づくことが出来てよかったと思っています。
    失敗して、そこから何も学ばず終いだったらジャンゴに向ける顔がない!
    (私とジャンゴの経験については、おそらく過去記事でも書いているはずなので省略します。)

    他にも、教科書通り100人に会わせたにも関わらず
    他人に噛みつくようになってしまったケースであるとか、
    他犬をよせつけないようになってしまったケースであるとか、耳にします。目にします。
    しかも、熱心である人ほど・・・・。

    学校で教わったこと、ダンバー博士が言っていたこと、
    しつけの本に書いてあることが間違っていたのか!?
    そういうわけじゃない。

    言葉が、内容が、捉え方が、伝え方が、翻訳が・・・
    最早何がかわかりませんけれど・・・
    足りていなかった、至っていなかった、勘違いがあったのかなと思います。

    言っておきますが、学校やダンバー博士等を批判しているわけではありません。
    そこのところ誤解がないように明記しておきます!
    特にダンバー博士は海外の方ですから、通訳や翻訳などを通す間に
    伝言ゲームのように目立った部分だけが伝わっていってしまったのかもしれないしね。
    学校に関していえば、陽性強化という言葉がチラホラ見かけられるようになった
    もう十数年も前のことですから・・・時代も時代かと。

    強いて言うなら、その当時の時代では今以上に浸透していない事柄が多かったのかも。
    それ故に起きたことなのかも。


    社会化で必要なのは、様々な経験を積むことではありますが・・・
    そこに恐怖があってはよろしくない。
    最終的に「楽しかった♪」とか「どうってことなかった♪」とか、
    「なんでもないこと」そんな風にポジティブなことになっていなければならないと思う。

    それが正しい社会化だと思う。

    ただ、
    多くの人に会わせてオヤツを一粒もらえばいいのではない。
    その一粒を食べない子もいる。
    その一粒をもらって逃走する子もいる。
    ただ、
    様々な犬に会わせたり、連れ出して経験させればいいのではない。
    重要なのは、そこでパピーが何を感じたのか!?です。
    これ、絶対!


    私は社会化の為にとドッグランに犬を放り込むことには賛成していません。
    社会化のためではなくとも、賛成していませんけど・・・。
    見知らぬ犬たちから怖い思いをするかもしれないし、
    トラブルに巻き込まれるかもしれない。
    相手に悪気があろうとなかろうとね。


    よその犬にガウガウッッ!とパピーがやられて、ひっくり返されて、
    それを「良い経験ができたね」とは・・・私は言い難い。
    多くのしつけ教室などでも見られる光景なのが切ないところで・・・。
    確かに、それも経験の一つ。
    しかしながら、そうした経験はないに越したことはないのです。
    他犬は優しく楽しい、
    或いは無害な存在であると云う経験を積み続けるべきなのですから。
    そして、上記のような経験をしたとき、
    最終的にきちんとパピーがポジティブになれたのかどうか・・・。


    意地悪なことを言ってしまいますが・・・
    敵を作ってしまいそうなことを言いますが・・・(´Д`|||)・・・
    通わせているしつけ教室などで、
    他犬にガウガウ叱られて良い経験ができたとか
    その後にちゃんと自分で対応していましたよとか言われたら、
    詳細をしっかり聞いておくべきです。
    それに対し、トレーナーはどう対処したのかも。
    その経験がその子の生涯に影響するかもしれないのですから!


    社会化の時期、それはトラウマを作る時期でもあると思う。
    そときに体験した「怖い」「怖かった」がそのまま形を変えることなく終わったら、
    それこそ尾を引く可能性の方が遥かに大きいはずです。

    「うちの子は社会化をがんばったのに、他犬が苦手なんです」
    「社会化をやったのに、社会化不足と言われるんです」
    それはもしかしたら、たった1回のあのときの、あの経験がそうさせたのかも。
    そしてそれをポジティブなものへ繋げることなく終えてしまった結果かも。

    社会化不足を補うために、我が子にするべきことは何だと思いますか?
    経験を積ませるべく修行させることではありません。
    耐えさせることではありません。
    必要なのは、経験を塗り替えることなのではないでしょうか。
    「恐怖だ、嫌な物だ」というその気持ちを塗り替える為にするべきは、
    その恐怖に無理やり晒さないことが大事。
    そんなことをしてしまえば、「やっぱり嫌だった」と思うでしょうし
    そんなことをする飼い主さんを信用するのは困難にもなるでしょう。

    対象に恐怖や嫌悪感を抱かずにいれる距離を保ち、
    確実なところから「大丈夫」を積み重ねることが大切なこと。
    「楽しいね」「HAPPYだね」「なんでもない」をいっぱい。
    そしてそれらは、人目線でないこと。
    そうして世の中との距離が適切に保たれていくのですから。


    ・・・なんだか意地悪な記事になっちゃったかなぁ。
    書いていてNGなのかな~と思いつつ、せっかく書いたのでUPしちゃいますけど。

    でも今回の内容も、これまで何度も書いてきていることと同じことを言っているんですよ。
    伝えたい事はいつも同じなのです。
    私が見つめている先はいつも同じなのです。
    私自身の成長もあり、伝え方が違ったり、新たに気付いたことや身に着けたこと、
    そうしたことを交えながらも・・・でも同じことを繰り返し書いています。

    「同じ記事を何度でも書いてください」と仰ってくださった方、ありがとうございます♪
    「ひとりでは落ち着けない時も、読むと冷静になれる」と仰ってくださった方も、ありがとうございます♪
    その他、ありがたいお言葉をくださる皆様、ありがとうございます。
    B-Pawsを立ち上げて再度の独立をしてから、先日こっそり1年が経過しました。
    1年前も今も私が描く犬の姿に変わりはありません。
    まだまだ学ぶことが多く、足りない部分も多々あるとは思いますが
    皆様に支えられて1年経過でございます!
    やりたいこと、やれていないこと、伝えたい事はまだまだまだまだまだあります。
    またここからの1年も皆様と共に在れるように、
    ジャンゴを幸せにするべく、
    努めていきたいと思います。

    今後とも、よろしくお願いいたします。


    B-Paws nakazawa CPDT-KA 
    中沢

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    Comment

    No title

    ダンバー博士の言われる「100人」の質が違うというのもあると思います。社会化トレーニングという言葉がない時代から、自然と社会化ができていた文化からの人なので、説明に言葉がたらなかったのかももしれませんね。

    祖父の思い出として、近所の子供たちを集めて、犬とふれあいをさせていた話をよくされています。子供たちは動物に敬意をもって接することを学び、犬は子供たちが怖くない、獲物でもないと学びます。


    わざわざ子供たちを集める必要もないのかもしれませんが、機会を設けることで、初めの接触を好いものにするようマネージメントできるメリットがあると思います。

    マネージメントのない露出がいけないのだと思います。

    私は保護犬ばかりなので、多くのことに犬を露出するってことはほとんどしていませんが、露出しても大丈夫な時期がある仔犬から育ている飼い主をみるとうらやましく思うことがあります。

    2016.08.24(Wed) 07:43       ワンワン さん   #d75DMW06  URL       

    Re: No title

    ワンワンさま

    コメントをありがとうございます♪

    土地、時代、文化と様々な要因が絡まりあっているのでしょうね。
    これから先は、社会化本来の理解へ向けて深まっていくといいなと思っています。

    ステキなお祖父さま!
    犬も子供たちも大切なことを学べる素晴らしい時間ですね。
    仰る通り、マネージメントは必須です。
    仔犬を迎える全ての飼い主さんたちが、仔犬の露出しやすい大切な時期をもっと積極的に正しく大切にできる時代となったら、保護が必要になる犬たちも少しは減らせるのではないかなと・・・ぼんやりそんなことを想います。

    2016.08.24(Wed) 19:26       B-Paws さん   #T61DVtR6  URL       

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